ブレア首相が「テロに屈さない」と言っていましたが、それは、イギリスの歴史を見るとわかります。
今回起こった場所はロンドンなので、テロは大都市しか標的にしないのではないかと思いますがそういうわけではありません。 私がイギリスに住み始めてから、イングランド北西部だけでも2度テロの被害に遭っています。 一度は、1993年のワリントン爆破事件。土曜日の繁華街で起こった事件で被害に遭ったのは母の日のプレゼントを買いに来ていた子供というのがショックでした。 それから、3年後の1993年6月15日にマンチェスターの繁華街で爆破事件が発生。こちらは、200人の負傷者を出し、爆破地点から半径800m以内のビジネスの4割は現在でも回復していないといいます。 どちらもIRAの犯行であり、これが今回ロンドンで起きたテロとの大きな違いといえます。 IRAは通常、暗号化された予告状を警察に送りつけてきます。 だから、時間内に解読すればなんとか人々を安全な場所へ誘導させることができるのです。 マンチェスターで死者がでなかったのは予告があったからで、もし、それがなければ多くの人が亡くなっていたでしょう。 テロのある国に住んでいるのは怖いんじゃないかと思われるかもしれませんが、決してイギリスの治安は悪くはありません。 普段警官は銃を所持していませんから。 IRAとの停戦が合意されて以来、イギリス人の中でも、なんとなく危機感が薄れてきていたのかもしれません。 今回のテロは、全く予告も兆しもなかったといいます。 ITNに出ていた、テロの専門家は「アルカイダはブランドネームだから、それを名乗ることでグループが認知される」と言っていたのを聞いて、なるほどね、と思いました。 犯行声明が出ているのにも関わらず、アルカイダと直接関係があるのかどうか疑問視する専門家の意見があるのはこのことなのでしょう。 ロンドンの街は、間違いなく戻ります。 一人一人の心の傷が癒されるまでには時間がかかると思うし、もしかすると決して癒えないかもしれません。 人としての基本的な権利を脅かすテロには、決して屈してはいけないと思います。 亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。 ずっと前に書いたワリントンのテロのお話 身近なテロ行為 ヲタッキーな息子は学校で今回のニュースを見たそうで、どう思うと聞いたら、 「G8の開催中とか、オリンピックが決まった直後とか、こういう時をわざと選んで誰の犯行なのか迷わせようとしているんじゃないのかな。実際は、どれにも関係ないイスラム教の過激派でしょ、きっと。」だそうです。 さすが、テロのある国の13歳の言葉って現実的ですよね。
by lisalisa9
| 2005-07-08 08:11
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