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英・ガーディアン紙「ピアノマン」仏人をニースで確認、本人は未だ身元不明
イギリスの月曜のニュースで一斉に報道されて以来、話題になっている
「記憶喪失のピアノマン」
意外と簡単に身元が判明するだろうと踏んで、ブログに書かずにいたら、謎が謎を呼ぶ一方…

という訳で、今回は簡単な経緯と最新情報を一気にお伝えします。
4月7日、ケント州の海岸をスーツ姿でずぶ濡れになってさまよっていた男性が保護された。

とても怯えていて精神的トラウマを受けている様子が見られたこの男性の年齢は20代から30代前半。
小さく頷くものの音も発しないため、東欧の言葉を使う通訳によるインタビューを試みたが全く話さず、トラウマによる記憶喪失、または失語症であると考えられている。

彼が着ていた服のラベルは全て切り取られ、身元につながる情報が何ひとつないため、もしかすると自分の名前を書くのではないかと思ったスタッフが紙と鉛筆を渡したところ、グランドピアノの絵を描き始めた。
細部まで描かれた絵に驚いたスタッフが病院のチャペルにあるピアノへ彼を案内したところ、チャイコフスキーの「白鳥の湖」を一心不乱に弾き始めたという。
病院のスタッフから「ピアノマン」と呼ばれるようになったのは、こういういきさつからだった。
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保護から1ヶ月以上経過した現在、演奏だけでなく作曲もしているというが、未だに一言も話さない(または話せない)状態が続いている。
身体には何の異常も見られないが、見慣れない顔を見ると極端に怯えて部屋の隅で丸くなるので診断が進まないという。
ピアノの前に座ると3~4時間連続して演奏し止めないため、スタッフは力ずくで止めさせることもあるという。
ピアノから離れているときは常時楽譜の入ったプラスチックのフォルダーを持ち歩いている。

ソーシャルワーカーのキャンプ氏は、「近づくととても不安になるから1m以内に立つことができないのに、ピアノの前では生き生きするんだ。私が彼の近くに立っているのも忘れていて、近づくことができる。とても珍しいことだよ。」と語る。

キャンプ氏は、ピアノマンはプロのミュージシャンではなく、ピアノを趣味としているだけで、保護当時に黒いスーツを着ていたのは葬儀に参列した後だったのではないかと考えている。
それに対し病院のスタッフは彼はプロのミュージシャンで発見された日も演奏していたのではないか、黒い服装はそのためではないか、と意見が分かれている。

身元確認に困ったソーシャルワーカーが最後の手段として「ピアノマン」の写真を公開したのが16日月曜日。
以来、メールや電話で、個人名が出ているものだけでも500人分以上の情報が寄せられたが、有力な手がかりは現れていない。

17日火曜日、ローマの警察署にポーランド人アーティスト(大道芸人)が通報、「ピアノマン」はフランス人のストリート・ミュージシャンSteven Villa Massonさんで、一緒に仕事をしたことがあるとの情報が寄せられた。
しかし、ガーディアン紙が彼の妹に連絡をとったところ、兄とはフランスのリゾート地で会っているから「ピアノマン」は兄ではない、と否定。

*Steven Villa Massonさんが南仏のニースに居ることを新聞社が確認(英国時間19日4時のIRNニュースより)

関係者は、彼の身元は不明のままで終わってしまうかもしれないと考えているという。Worldwide response to 'Piano Man'



一部ではBBCがドラマ化に興味を持っているとの情報があるけれど、これに似たストーリーが1996年のShine。オーストラリアのピアニスト、デビッド・ヘルフゴットの実話だそうです…
確かにずぶ濡れで海岸に現れた記憶喪失のピアニストなんていろいろと想像をかき立てられます。

彼に何が起こったのかを想像するのは心苦しいですが。
by lisalisa9 | 2005-05-19 08:52 | 英国ニュース
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